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わが国の天然ガス
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Ⅱ.探鉱開発

Ⅱ.探鉱開発

○天然ガスの探鉱方法

 他の天然資源同様に、天然ガス資源は採掘に伴い減耗していきます。天然ガスの安定供給を行っていくためには、新規の探鉱開発を絶えず行う必要がありますが、一般にリスクは大きく、巨額の費用とリードタイムを必要とします。

 陸域における探鉱・開発の手順は、以下の通りです。

  1. 事前調査:石油・天然ガス開発の対象となる地域の調査を行い、採算性や採掘の難易度などを含め、様々な角度から検討する。
  2. 鉱業権の設定:経済産業省に石油・天然ガスの鉱業権を設定する。
  3. 地質調査:人工衛星等を利用して広い地域を調査する。また、物理探査を実施して地下構造を探る。
  4. 試掘井の掘削:地質調査等に基づき、石油・天然ガスのありそうな場所を予測し試掘井(試験的に掘る井戸)を掘る。
  5. 開発への移行:試掘結果が良好であれば、構造の広がりを調べるために、試掘井周辺に探掘井(構造の広がりを確認するために掘る井戸)を数本掘削し、可採鉱量を推定した結果、商業生産移行が可能であると判断された場合には、開発に移行する。

 海域における探鉱・開発の手順は陸域と同様ですが、地下構造を探るために専用の物理探査船を使う点が、陸域と大きく異なります。開発に移行した場合には、海洋において生産、追加掘削、坑井改修等の作業を実施するため海洋プラットフォームを設置します。

 なお、国は、国内石油・天然ガス資源探鉱促進のため、基礎調査(基礎物理探査及び基礎試錐)を行っています。
 

○構造性天然ガスの採取方法

 構造性天然ガスは、地下3000-5000m程度の深さの地層より採取されています。原油に随伴する随伴ガスと、原油に随伴しない非随伴ガスとがありますが、いずれの場合も、貯留層といわれる地下の岩石の孔隙内に高圧で貯蔵されています
これらを採取するためには、目的の地層の深さまで掘削を行い、井戸穴の崩れをふせぐためのケーシングパイプを挿入します。ケーシングパイプは、パイプの外側と坑壁との間をセメントで充填して固めます。

 次に、ケーシングパイプの内側から目的の地層の部分に向け火薬で多数の孔を開け、油ガス層と坑井を導通させます。穿孔作業終了後は、チュービングパイプと呼ばれる細い鋼管をケーシングパイプ内に挿入し、チュービングパイプを通して地上に石油・天然ガスを汲み上げます。
地上に上がってきた石油・天然ガスには、ほとんどの場合、地層水や二酸化炭素等の不純物が混在していますので、クリスマスツリーといわれる多岐弁を通じて、油ガスセパレーターに送り、油・ガスと他の物質を分離します。

 天然ガスについては商品として出荷するため、グリコール・デハイドレーターと呼ばれる装置を通して、ガス成分にグリコールを接触させ残存する水分を除去し、更に他の装置を通して不純物を取り除きます。

石油・天然ガスの生産 【拡大図はこちら】
 

○水溶性天然ガスの採取方法

 水溶性天然ガスは、地下1000-2000m程度の深さの地層より採取されています。稼行対象の地層は砂岩と泥岩の互層になっており、砂岩層に含まれるかん水を汲み上げるため、目的の地層の深さまで掘削を行い、井戸穴の崩れをふせぐためのケーシングパイプを挿入するとともに、目的の地層には、ストレーナー(ケーシングパイプの多数の孔を開け、砂崩れを防いでかん水を取り出すもの。孔明管)を挿入します。

 自噴する場合以外は、かん水を汲み上げる必要がありますが、そのためには、ガスリフト方式、水中モーターポンプ方式など様々な方法があります。最も多く活用されているのがガスリフト方式で、地上から天然ガスを圧縮して送り込み、送り込んだ天然ガスが浮力で上昇してくる力を利用してかん水を汲み上げる方法です。

 汲み上げられたかん水は、セパレーター(分離槽)に入れられ、そこで天然ガスが分離されます。分離された天然ガスは、パイプラインを通じて、開発地区ごとに設置している送ガス基地に集められ、計量を経てパイプラインで需要家に送られます。その際、必要に応じて、熱量調整センターにおいてガスの熱量アップを行います。

 また、天然ガスを分離したかん水は、送水管を通じてヨード工場へ送られ、ヨードが抽出されます。ヨード分を取り去った廃かん水は、還元井から地中へ還元、あるいは、排水管を通じて海へ放流されます。


【拡大図はこちら】


 

○鉱業法及び鉱山保安法

 鉱物資源を国内において開発するには、鉱業法により、鉱業権設定について、経済産業大臣の許可を受ける必要があります。鉱業法には、適用鉱物として41鉱物が指定されており、石油関係では、石油、アスファルト、可燃性天然ガスが指定されています。鉱業法は平成24年1月に大改正が行われましたが、「鉱物のうち石油、可燃性天然ガスその他国民経済上重要な鉱物であつてその合理的な開発が特に必要なものとして政令で定める鉱物」については「特定鉱物」となり、経済産業大臣が「特定区域」を指定して公募を行い、「開発を最も適切に行うことができる者」(特定開発者)を選定して行わせることになりました。

 改正前までに設定されていた鉱業権については、従前通り地方経済産業局が事務を行い、改正後においては、海域における「特定鉱区」の指定等の手続きは資源エネルギー庁が、陸域における「特定鉱区」の指定等の手続きは地方経済産業局が行うことになっています。

 鉱業権が設定された後、事業を着手する前には、施業案を定め地方経済産業局長の認可を受ける必要があります。また、鉱山労働者の危害防止や鉱害防止等のため、鉱山保安法による鉱山保安に関する規制を遵守する必要があります。

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