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わが国の天然ガス
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Ⅲ.国産資源活用

Ⅲ.国産資源活用

○国産天然ガスの利用

 国産天然ガスの出荷先は、平成23年度でみると、都市ガス用に58%、化学工業用に13%、原油・天然ガス鉱業に10%、電力用に8%、その他11%となっています。地元都市ガスへの供給が多く、また化学工業用(燃料用・原料用)が一定割合を占めています。地産地消の性格が強く、主にガス田周辺において使用されており、新潟県、千葉県等の生産地域の都市ガスでは、国産天然ガス利用の割合が非常に高くなっています。都市ガス原料に占める国産天然ガスの割合は、新潟県では約62%、千葉県では約25%です。また、国産天然ガスは、パイプラインによって、新潟県から関東甲信越、東北地方まで供給がなされており、北海道では、一部LNG化されて、LNGタンクコンテナやLNGタンクローリによって、内陸の都市ガス等に供給されています。

 これに対し、海外から輸入されるLNGの出荷先は、平成22年度でみると、電力用に55%、都市ガス用に39%、その他6%となっており、電力用が多く、続いて都市ガス用となっています。全国各地のLNG輸入基地で受入れ、パイプライン、あるいはLNGタンクコンテナやLNGタンクローリによって、需要家に届けられています。
 

○国産資源活用の意義

  国産天然ガスは、海外から輸入されるエネルギーに比べ、非常に供給安定性の高い、貴重な国産エネルギー資源です。エネルギーの大消費国であるわが国にとっては、供給源の多様化の面からも、貿易収支の面からも、国産エネルギー資源の活用は極めて重要です。供給している地域においては、まさにライフラインの一翼を担っている重要なエネルギーです。また、国内における探鉱開発は、海外においてわが国が自主開発事業を推進していく上での技術的・経済的基盤形成の場でもあり、大きな意義を持っています。国内鉱山において技術を涵養した技術者が、海外プロジェクトにおいても多く活躍しています。

 また、水溶性天然ガスのかん水からは、副産物としてヨードを産出します。わが国は、ヨード生産量が世界の3割以上であり、チリに次いで世界第2位のヨード生産国です。資源の乏しいわが国にとって、世界に向けて輸出できる大変貴重な国産資源と言えます。
 

○国産天然ガスの歴史

 石油については、日本書紀に、668年、越後国より天智天皇に「燃ゆる水(燃水)」が献上されたという記述があります。明治初期に、ランプとしての利用のため石油開発が始まり、越後を中心に、信濃、秋田等での生産が行われました。明治後期からは、新潟県で、西山油田、東山油田、新津油田が開発されました、大正時代には、秋田県の黒川油田、昭和前期には、秋田県の八橋油田が開発されました。

 

 一方、天然ガスは、新潟平野で300年前から存在は知られており、水溶性天然ガスが、竹のパイプを用いて、煮炊き燃料や明かり用として小規模に利用されていました。事業として採取され始めたものとしては、明治33年頃、長野県諏訪ガス田での精米業への利用、明治41年、新潟県長岡町での大口ガス田による都市ガスへの供給があります。現在まで続く事業として最初のものは、昭和7年、千葉県大多喜町での都市ガスへの供給です。その後、戦前から終戦直後まで、新潟市、千葉県茂原市等で開発が行われ、自動車用、都市ガス、工業燃料等としての利用が進みました。


 戦後においては、昭和30年度から、国による石油天然ガス資源開発5ケ年計画が8次にわたって実施され、構造性の新たな油田、ガス田の発見につながりました。

 

 なお、石油・天然ガス鉱業の歴史に関する資料館としては、次のものがあります。

  
○ヨード(ヨウ素)とは

 ヨードは、体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要であり、人体の必須元素です。海藻類はヨードを海水から濃縮しますので、日本人は食生活の中で海藻類から自然にヨードの摂取を行いますが、海藻類を食する習慣のない民族、特に大陸中央部ではヨードを摂取する機会がほとんどないため、ヨード欠乏症による甲状腺異常が発生します。このため、欧米等では、食塩にヨードの添加が義務付けられています。

 また、ヨードは、殺菌効果や様々な特異な化学反応を起こすことが知られており、医薬品や工業原料としても重要な元素です。用途としては、うがい薬やレントゲン造影剤、殺菌剤、防かび剤、工業用触媒や農業分野で使用されます。さらに最近では、液晶の偏光フィルム等の需要が伸びています。

 水溶性天然ガスのかん水はヨードを多く含むため、わが国では副産物としてヨードを生産しています。わが国のヨード生産量は世界の約35%を占め、チリに次いで世界第2位のヨード生産国です。約8-9割が千葉県で、約1割が新潟県で生産されています。資源の乏しいわが国が世界に向けて輸出できる大変貴重な国産資源と言えます。

 海底に堆積した砂泥互層中の有機物が微生物で分解され、メタンに変化しましたが、有機物中にヨード分が含まれ濃集したものと考えられています。

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