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わが国の天然ガス
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Ⅴ.新技術

Ⅴ.新技術

○GTLとは

 GTL(Gas To Liquid: ガスを液体へ)とは、天然ガスを原料にして化学反応によってナフサや灯油・軽油などの液体燃料を製造する技術です。天然ガスは中東依存度が低く、比較的供給安定性の高いエネルギーと言えますが、ガス体よりも液体燃料の方がハンドリングが容易であることから、エネルギー供給の多様化につながる新しい液体燃料のソースになり得るとして技術開発が行われてきています。

 GTL燃料は、硫黄分や芳香族分(ベンゼン、ナフタレンなど)をほとんど含まない環境負荷の低いクリーンな液体燃料であり、従来の灯油・軽油と同じ取り扱いが可能です。また、次世代のガソリン代替燃料を製造することもできます。

 GTL技術の開発のため、2001年~2004年まで、石油公団(現JOGMEC)及び民間5社が共同で、勇払油ガス田(北海道苫小牧市)において7b/d規模のパイロット試験を実施しました。更に、2006年10月、民間6社が、「日本GTL技術研究組合」を設立し、JOGMECと共同でGTL技術の実証研究を実施しました。新潟市に500b/d規模の実証プラントを建設し、2011年度まで実証試験が行われました。今後、商業規模(数万b/d)で技術的・経済的に競争力を持つGTL技術の開発を目指すことになります。
 

○非在来型資源とは

 構造性天然ガスも水溶性天然ガスも、ともに、孔隙率、浸透率の高い岩石層(主に砂岩)などが貯留層となっており、そこから油ガスやかん水をくみ上げて生産しています。こういった通常の稼行対象となっている石油・天然ガス資源を在来型資源と呼び、それ以外の石油・天然ガス資源を非在来型資源と呼びます。(水溶性天然ガスを非在来型資源に分類する場合もあります。)

 非在来型資源には、石油では、オイルサンド、オイルシェール(油母頁岩)、シェールオイル(海外ではタイトオイルと呼ばれている。)、天然ガスでは、タイトサンドガス、シェールガス、コールベッドメタン(CBM)、メタンハイドレートといった種類があります。

 現在北米で注目されているシェールオイル、シェールガスは、固い頁岩の中に含まれる油ガスで、従来、採取する方法がありませんでした。近年、頁岩に高圧で水を注入し割れ目を人工的に作って浸み出してくる油ガスを採取する「水圧破砕」技術、及び地層に沿って井戸を水平に掘削する「水平坑井」掘削技術が進んだことで、一気に開発が進んでいます。構造性天然ガスは、有機物を含む根源岩が続成作用を受ける間に、分解された有機物が地層中を移動して、不浸透層(キャップロック)でトラップされ、貯留されて、油ガス田となったものです。しかし、もともとの根源岩には、移動せずに残された未熟成の油ガスが存在する可能性があります。シェールオイル、シェールガスは、こういった根源岩に着目し、油ガスを採取しようとするものです。

 わが国では、明治時代より油ガスが採取されてきましたが、未熟成の油ガスが頁岩中に残されているかどうかを見ていく必要があります。平成24年10月、秋田県において、シェールオイルに係る実証試験が行われ、頁岩層である女川層から油を抽出することに成功しました。ただし、事業化までには、更なる研究開発が必要と考えられています。
 

○メタンハイドレートとは

 メタンハイドレートは、水分子が、メタンをバスケット状に取り囲んだ物質で、一定の圧力・温度条件下で固体として存在し、自然界には、低温高圧の海底下や永久凍土の下に存在します。ガスの起源は堆積物中の有機物であり、主に微生物分解によって形成されたものと考えられ、水溶性天然ガスとの起源の類似性が考えられます。日本近海には世界有数のメタンハイドレートが賦存するといわれており、本州、四国、九州といった西日本地方の南側の南海トラフに最大の推定埋蔵域があり、北海道周辺、新潟県沖、南西諸島沖にも存在することが確認されています。

 しかし、メタンハイドレートは、一定の圧力・温度条件の下で固体として安定して存在していますが、海底で採掘しても地上に引き上げる過程で気体に変化してしまうことから、採掘が難しいとされてきました。わが国では、 海底下でメタンハイドレートの圧力条件を下げることにより、メタンハイドレートを分解させてメタンガスを採取する「減圧法」に着目し、平成25年3月に愛知県沖合において、初めての産出試験に成功しました。しかし、様々な技術的課題やコストの問題等が残されており、事業化までには、更なる研究開発が必要と考えられています。

 

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